着物のシワの取り方2「アイロン」編 ~自分で出来る着物ケアシリーズ6〜 – 糸千花(いちか)
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自分で出来る着物のシワの取り方2「アイロン」編 ~着物ケアシリーズ6〜

自分で出来る着物のシワの取り方2「アイロン」編 ~着物ケアシリーズ6〜

長期間保管したときのたたみジワは、干すだけでは取れないことがあります。

そんなときは、アイロンを使ってみましょう。

着物にアイロンをかけるのは勇気がいりますが、コツを押さえて素材に気を遣えば、驚くほどきれいになりますよ。

今回は、着物のアイロンのかけ方と注意点を紹介します。

着物にアイロンをかける前に

着物にアイロンをかける前に

どれだけ干しても取れそうにない、頑固なシワの場合は最終手段はアイロンを使います。

ただし着物にアイロンをかけるのは、慣れないと難しい作業です。

素材や織り方、技巧によっても適切なアイロンのかけ方は違います。

特に礼装の着物のシワを取るときには、専門の業者に依頼しましょう。

また普段用の着物でも、アイロンとの相性がよくないものもあります。

アイロンでダメージを負った着物は、専門家でももとに戻せないことも。

着物の素材やアイロンのかけ方をよく確認し、まずは端切れや目立たないところで試してみてから実践しましょう。

着物にアイロンをかける方法

着物にアイロンをかける方法

着物にアイロンをかける方法は、洋服のときと少し違います。失敗のないように、慣れないうちは細心の注意を払いましょう。

初めてのアイロンがけには、洗濯のできる木綿の着物がおすすめです。

どの素材でも基本の手順は同じですが、やはり正絹はより丁寧に扱う必要があります。

まずは普段用の素材で練習してからのほうが安心です。

では、着物にアイロンをかける際のポイントを見ていきましょう。

① 着物の素材にあわせた温度にする

着物の素材にあわせた温度にする

洋服と同じように、着物の場合も素材によって適した温度が違います。

植物性繊維は高温でも大丈夫ですが、動物性繊維は温度が高いと傷んでしまいます。

また、化繊はあまりに高温だとテカったり、溶けたりすることも。

木綿や麻は高温、絹やウールは中温、ポリエステルは低温を使用します。

アイロンに「絹」「ポリエステル」などと表記がある場合は、それにあわせて設定してください。

「木綿の着物だけれど、居敷当てはポリエステルだった!」という場合もあります。

アイロンは裏からあてますので、裏地の素材も良く確認してくださいね。

② 着物の裏からアイロンをあてる

着物の裏からアイロンをあてる

前述のように、着物にアイロンをかけるときは裏からです。着物を裏返して、アイロン台に広げましょう。

着物は全体にアイロンをかけてしまうと、繊維がつぶれて縫い目が目立ったり、風合いが損なわれたりします。

シワの部分にだけアイロンをかけ、特にふんわりさせたい裾や衿の部分には触れないようにしましょう。

③ 必ずあて布を使う

必ずあて布を使う

裏側からアイロンをかけるときにも、アイロンの熱のあたりを柔らかくし繊維にかかる負荷を軽減するためにあて布は必須です。

あて布には端切れなどの共布か、さらし、もしくは新しくない手ぬぐいなどを使います。新しい手ぬぐいなどは染料が着物に写ってしまう可能性があるからです。

「あて布を使うとシワが取れない」というときには、和紙を使うという方法もあるようです。

シワの部分の下に和紙をあて、上からも和紙を重ねて挟んでからアイロンをかけると、布よりもきれいにシワが取れます。

あて布では取れないシワには「あて紙」を試してみてくださいね。

④ アイロンは素早く軽く動かす

洋服のシワを取るときにはアイロンをゆっくり動かすのがコツですが、着物の場合は同じようにしてはいけません。

繊維を傷めてしまいます。

着物にアイロンをかけるときには素早くさっと動かすのがポイント。

強く押し当てることは避け、アイロンを軽く浮かせるようにして往復しましょう。

1度のアイロンでシワが取れないときには、今度は方向を変えてアイロンを動かします。

同じ場所に負荷がかかり続けないようにするのがポイントです。

⑤ 着物にアイロンをかけたあとは干す

着物にアイロンをかけたあとは干す

アイロンがけが終わったら、着物ハンガーにかけて干しましょう。

干し方のポイントは普段のお手入れの時と同じです。

折り目に沿ってきちんとハンガーにかけ、風通しの良い屋内に吊るします。

そのあとは、きれいにたたんで収納しましょう。

こんな着物にはアイロンはNG!

こんな着物にはアイロンはNG

礼装用の着物の他にもアイロンでシワのお手入れをするのは避けたほうが良い着物があります。

アイロンをかける前には、以下の点を確認しましょう。

  • 金箔や銀箔が使われていないか
  • 絞りが入っていないか
  • 自然素材で染められていないか

そのほか、特殊な加工が使われているものはアイロンをかけるのはさけたほうが良いでしょう

アイロンに限らず、これらの着物は扱いが難しい着物です。

また、染め方や素材がわからない着物も自分でお手入れしないほうが無難です。

迷ったら無理に対処せず、早めに専門の業者にお願いしてください。

シワになりにくい着物とは

シワになりにくい着物とは

着物には、シワになりにくいものとそうでないものがあります。

素材や織り方によって、シワになりやすさが違うのです。

「そもそもシワになりにくい着物が欲しい!」という人は、素材や素材にこだわってみましょう。

ここでは一般的に「シワになりやすい」または「シワになりにくい」と言われる着物や素材をまとめました。

シワになりやすい着物

シワになりやすい着物

夏の着物の代表格でもある「麻」は、シワになりやすい素材としても知られています。

同じく植物性の天然素材である「木綿」や「芭蕉布」もシワになりやすい生地です。

しかし、どれも自宅で洗濯ができる素材なので、シワになってもそれほど気にならないかもしれませんね。

正絹ではシワになりやすいものとそうでないものがあるようですが、質の良い絹ほどシワからの復元力も強い傾向にあります。

いずれの場合も、産地やメーカーの工夫でシワになりづらいものも開発されています。

着物を購入する際には、お店の人に尋ねてみると良いでしょう。

シワになりにくい着物

シワになりにくい着物

シワになりにくい着物として有名なのが、「大島紬」です。軽くて丈夫、張りのある風合いで水にも強い、頼もしい着物。

だたし、糸が細いので、強い圧力をかけて深いシワになってしまうと、もとに戻しづらい着物でもあります。

また「結城紬」や「牛首紬」もシワになりづらい着物です。

糸に撚りをかけてある縮緬はシワが目立ちにくく、多少のシワなら気になりません。

やわらかものがお好みの方は、シワになっても目立ちにくいものを選ぶのもおすすめです。

まとめ

アイロンを上手に使えるようになれば、相当の範囲のお手入れが自宅で可能になります。

着物好きならぜひ身につけたいスキルですよね。

便利な道具をうまく使うためには、まずはそれが「できること」と「できないこと」を見極めることも重要です。

自分でできないことはいさぎよく諦め、専門家に任せましょう。

適切なお手入れをすることで、年代を経たリサイクル着物も、長く、きれいに着続けることができるのです。

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