訪問着の色はパーソナルカラーで選ぶ!自分に似合う色を探すポイントとは
着物は体を覆う布の面積が広く、色が全体の印象を大きく左右します。
お祝いの席や改まった式典で着ることの多い訪問着は、特に品よく、美しく着こなしたいものです。
しかし、「自分に似合う色」と「自分の好きな色」は必ずしも一致しません。
自分ではステキだと思って選んだ色も、ほかの人からは不自然に見えることもあります。
そんなときに活用してほしいのが、パーソナルカラー診断です。
パーソナルカラーから、自分に似合う訪問着を選ぶ際のポイントを紹介します。
目次
パーソナルカラー診断とは?
パーソナルカラーとは、第三者から見て、その人に似合う色のことです。
人にはそれぞれ、生まれ持った色の性質があると言われています。
髪や目、唇、肌の色などから、その人の色味の特徴をまとめたものを「パーソナルカラー」と呼びます。
服を選ぶときにはパーソナルカラーにあった色を身につけると、より明るく、生き生きとした着こなしができるのです。
パーソナルカラー診断では、まず色味のタイプを「ブルーベース」と「イエローベース」の2つにわけます。それからさらに「春」「夏」「秋」「冬」の4つのグループに分類し、どの色が似合うかを判断するのが一般的です。
パーソナルカラーによる着物の選び方については、こちらのページも御覧ください。
自分に似合う着物とは?パーソナルカラーを軸にした着物の選び方を徹底解説
ここでは、訪問着とパーソナルカラーについて見ていきましょう。
訪問着とパーソナルカラーの関係とは
訪問着とは、模様が肩から胸や袖にかけて1つの絵のようにつながる「絵羽模様」に染められた着物です。
着物全体に柄がある小紋などと比べると、色の強さが前面に出やすいことが特徴の着物でもあります。
お気に入りの1枚とで出会うためには、まずは自分に似合う色を選ぶことが重要です。
また、訪問着は留袖・振袖に次いで格の高い着物です。
結婚式やパーティのほか、子供の七五三、入学式や卒業式、お正月など、人生の節目で着る機会が多くあります。
普段は洋装で過ごす人は、着物は成人式の振袖と子供の結婚式以外はこの1枚だけで事足りてしまうかもしれません。
それだけに、年齢を重ねてもずっと愛着を持てる1枚を選びたいものです。
自分のパーソナルカラーは、老年になっても変わりません。
小物や帯との組み合わせで、年齢やTPOにあった着こなしができるのも着物の楽しさのひとつです。
パーソナルカラーに似合う色の訪問着なら、1枚の着物を人生の最後まで美しく着ることができます。
パーソナルカラーを基準にして自分に似合う色の訪問着を持つことで、生涯大切な1枚と寄り添い続けることができるのです。
パーソナルカラー別の訪問着の選び方
パーソナルカラーのグループには、それぞれに会う色や雰囲気に特徴があります。
自分がどのタイプで、どんな色が似合うのかを知ることは、自分自身について知ることです。
人生の節目に着る訪問着だからこそ、自分自身の外見を良く知って、一生大切にできる色を選ぶことが重要になります。
パーソナルカラーごとにおすすめの訪問着の色をまとめました。
春タイプに似合う訪問着
イエローベースのなかでも血色が良く、明るい髪色の方が多いのが春タイプです。若々しく、女性らしい装いが似合う方が多いのも特徴です。
春の花のような可愛らしい色合いに透明感のある肌が映える春タイプの方には、くすみのないクリアな色の訪問着がおすすめです。
肌や髪の色をより明るく、きれいに見せてくれます。
春タイプにおすすめの訪問着の色
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珊瑚色 コーラルピンク |
蜜柑色 鮮やかなオレンジ色 |
鮮緑色 鮮やかな緑色 |
白茶色 薄い茶色 |
ピンク系の着物 | 朱色系の着物 | 緑系の着物 | クリーム系の着物 |
ピンク系の帯 | 朱色系の帯 | 緑系の帯 | クリーム系の帯 |
そのほか、明るい黄色やローズピンクもよく似合います。
夏タイプに似合う訪問着
目や髪の色が明るく、落ち着いた雰囲気のブルーベースの方は夏タイプです。
エレガントで上品な印象で、青みがかった涼し気な色合いが似合います。
また、パステルカラーなどの淡い色合いも得意です。
爽やかで落ち着いた装いが似合う方が多いので、訪問着も格調高い色柄のものを選ぶと良いでしょう。
夏タイプにおすすめの訪問着の色
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牡丹色 紫に近いピンク色 |
水縹色 薄い青色 |
紺色 |
藤色 青みのある淡い紫色 |
ピンク系の着物 | 青色系の着物 | 紺系の着物 | 紫系の着物 |
ピンク系の帯 | 青色系の帯 | 紺系の帯 | 紫系の帯 |
ライラックなどのクールな色のほか、ベビーピンクも夏タイプさんの魅力を引き出してくれます。
秋タイプに似合う訪問着
大人っぽい雰囲気の秋タイプさんは、彩度の低い色が合うイエローペースです。
秋タイプの方に似合うこっくりと深みのある色は日本の伝統色に多く、古典的な色合いの訪問着や、代々受け継がれてきた着物も上手に着こなせます。
落ち着いた知的な雰囲気で、モダンな組み合わせやレトロなコーディネートも得意です。
秋タイプにおすすめの訪問着の色
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山吹色 鮮やかな黄色 |
虫襖色 青みを帯びた緑色 |
羊羹色 赤みを帯びた濃い茶色 |
柿色 赤みがかったオレンジ色 |
黄色系の着物 | 緑色系の着物 | 茶色系の着物 | 朱系の着物 |
黄色系の帯 | 緑色系の帯 | 茶色系の帯 | 朱色系の帯 |
また、くすんだ青色や新緑色などのアースカラーもよく似合います。
冬タイプに似合う訪問着
冬タイプの方は、透明感のある白い肌と黒っぽい髪色が特徴です。
ヴィヴィットな色や暗い色との相性が良く、少し派手な色合いの訪問着でもきれいに着こなすことができます。
はっきりしたシャープな色が似合う冬タイプの方には、個性的な着姿もぴったりです。
また、黒や白のモノトーンのコーディネートも、冬タイプさんに良くあいます。
冬タイプにおすすめの訪問着の色
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唐紅色 濃い赤色 |
蘇芳色 青みがかった暗い紫色 |
鈍色 彩度の低い鼠色 |
瑠璃色 はっきりした青色 |
赤色系の着物 | 紫色系の着物 | 灰色系の着物 | 青系の着物 |
赤色系の帯 | 紫色系の帯 | 灰色系の帯 | 青色系の帯 |
レモンイエローやワインレッドもおすすめ。キリっと目を引く色合いが似合います。
着たい訪問着がパーソナルカラーとあわないときの2つの対処法
どうしても着たい訪問着の色がパーソナルカラーにあわないときは、小物の色合わせで全体の色味を調節することもできます。
それでもしっくりこない場合は、いっそ染め直してしまうというのも手です。
気に入った訪問着を、パーソナルカラーにあわせるための2つの方法を紹介します。
半襟や帯の色で調整する
パーソナルカラーにあった好みの訪問着が見つからないときは、半襟の色である程度調整ができます。
半襟は顔の一番近くにくる色です。
この色味をパーソナルカラーにそろえることで、肌を明るく見せることができるのです。
訪問着を着る正式な場では、白い半襟をつけるのが基本的なマナーです。
ただし、「白」にも種類があります。
青みがかった肌の白さが特徴のブルーベースの方は、半襟の色も青っぽい白練の半襟を選ぶのがおすすめ。
いっぽうで、柔らかい肌色のイエローベースの方には、温かみのある生成りの半襟が似合います。
また、帯の色も着物と同じくらい目を引くものです。
着物の色がパーソナルカラーと違っても、帯の色を合わせることで、自分に似合う着姿にまとめることができます。
小物や帯との色合わせでさまざまな雰囲気が楽しめるのも、着物の魅力のひとつです。
譲られた着物やリサイクル着物には「染め直し」も検討を
大切な方から譲られた着物やリサイクルの訪問着は1点ものです。
柄もサイズも希望通りなのに色味だけがあわない、ということもありえます。
「どうしても色が似合わない」というときは、染め直しを検討しましょう。
柄の部分をのりで伏せ、地色だけを染め変えれば、再び新品同様の訪問着としてよみがえる場合もあります。
この方法なら、もう着なくなった訪問着の色を変えたり、人に譲る時に相手のパーソナルカラーにあった色にしたりすることもできます。
基本的には薄い色から濃い色に染めなおすほうがきれいに仕上がりますが、まずは専門の業者に相談してみましょう。
訪問着とパーソナルカラーのまとめ
生まれ持った自分の色を美しく見せてくれるパーソナルカラー診断。着物は一生着られる衣類だからこそ、自分に似合うものを選びたいですよね。
パーソナルカラーに似合う訪問着で、人生の節目を華やかに、格調高く彩りましょう。